長年、山岳ガイドとして日本全国や世界各地の山を登ってまいりました。
国内では特に沢登りを専業として、各地の源流を歩いてきました。
またカヤックに荷物を満載して日本の大河の川下りをしてきました。
今でも川の流れを見ているのが本当に好きです。
いうなれば長年、山や川の受益者の側でした。
受益者なりに、日本の山や川のあるべき姿とはどういったものなんだろうと考えてきました。
川は時に氾濫し制御が効かなくなる存在でありながら、川の水がなくては私たちは生活を営む術がありません。
人が川と関わり、川に親しむ場所がもっとあれば日本人と川の関わりはもっと良くなると考えています。
そしていつかは山と街との関わりを維持する仕事、山や川を訪れる方のためのインフラ整備に関わりたいと考えておりました。
そんなときに登山道や作業道にかかる小規模な吊橋を作り直す仕事に携わるようになりました。
そこで豪雨災害のために崩壊してしまった橋や遊歩道が日本各地にあることを知りました。
これらの橋や道は地方の労働人口の減少や、行政の予算不足により復旧が難しいものがほとんどでした。
しかし同時に、橋を復興したいと願う地元の方々と接する機会にも恵まれ、クラウドファンディングや補助金を活用していくつかの橋を作り直してきました。
吊橋には人を魅了する不思議な「力」があります。
人が橋を渡り、橋に集い、季節の移ろいを知ることで得られる無形の喜びがあります。
山のインフラ整備業務の中で山で働く人材育成に貢献すること、吊橋作りや古道整備を起点とした人の交流と地方の活性化こそが私たちの最大の使命だと考えています。
代表取締役 成田 賢二