遊歩道



江戸時代は「歩く」文化でした。

五街道に脇街道、参勤交代、お伊勢参り、熊野詣など、人々は街道を歩き、峠を越え、見聞を広め、人情に触れてきました。

現代を生きる私たちに必要なのは、高速鉄道網や格安航空券よりも、低くて穏やかなあの峠を越える心地よい遊歩道ではないでしょうか。

「季節感に触れながら穏やかな気持ちで歩ける道」を私たちは作っています。


私たちはできるだけ金属製の人工物に頼らず、現場にある石を可能な限り使用します。
現場で石を割り、それを積みます。
50年後100年後に「苔むしていい感じ」になるような姿を心に描いています。


融雪水や集中豪雨などの強い自然条件に耐え得るには、人の足の動きと水の流れを的確に読まねばなりません。


百年続く遊歩道を目指して、歩く人が踏みしめるその一歩一歩の質感まで考えながら、日々石を組んでいます。